バグ電波
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かくれんぼ<永遠のさよなら>
隣国は裕福で幸せな国だった。
まるでユートピアとも思える、どの国も羨む恵まれた社会が成り立っていた。
しかし残念ながらも光は影を落とす。人々の心の闇は渦をまき誰も巻き込もうとさせない。
人の幸せを心から願い、自分の渦には触れさせようとしない美しい精神を持つ人々だった。
だが、その渦は心から流れでてしまうと手に負えなくなってしまう。
渦は光さえ飲み込む。
ここにもひとつの家族がちょっとしたきっかけで偽善の違和感を漂わせていた。
不穏な雰囲気を引きつれてタイヤは音を緩め静かに車は止まった。
山の上の人気のない公園。家族は回りを気にせず遊べる所を探していたのだろう。
仲の悪い空気など感じさせない程の仲むつまじい親子だった。
子供の兄弟はかくれんぼをはじめた。夫婦は山の上からの景色を眺めていた。
兄は隠れる側で木陰に隠れていたが、不思議な風が吹き思わず山林へ入って行った。
鬱蒼と茂る木の葉をかわしていた。
気付くとそこ一面に水面花の咲き誇る水溜まりに出くわした。
彼は見たこともない世界を体感し、声もでずただただ魅入るばかりだった。
水は緩やかに流れ水中花は揺れそよ風に水面がさざ波たつ。
兄はこの先に行きたい衝動に駆られていた。
「もういいかい」
兄はこの世界に夢中になっていてまさか妖精に話し掛けられたのかとビックリした。
ふと我に帰りかくれんぼをしていた事を思い出す。
「もういいかい!」
弟の声はききせまるものがあった。
兄が隠れここにくる間ずっと探していたのだろう。
「もういい…」
言いかけたところで弟が心配になった。
弟の足ではここまで来るのは難しい。兄はもときた道を戻ろうとした。
「ゆっくりしてきなよ」そんな声がきこえた気がしたが急いで引き換えした。
「もういいよ」
そうつぶやいたのは母だった。
「お兄ちゃんどこにもいないよわああん」
「お兄ちゃんどこにもいないね、いないね」
「もういいんだよ」
「ママ?」
母は兄に絶望していた。夢物語を語る兄にうんざりしていたのだ。
何をやらせても物覚えがよく、手伝いもよくする素晴らしい兄。
自分が産んだ子なのに父にも似ておらず。ずっと胸につかえたままここまできたのだ。
「いいのか」
父が言った。
「もう決めてたことよ捜索願いは出すわ。でもあの子はきっと帰って来ないわ!」
「わかった」
「にーちゃんは?」
弟は青ざめた顔をして涙と鼻水で顔を濡らしていた。
母は弟に抱き着くと、抱え込み何も言えわずに車に駆け込んだ。
遠くからなので何となくしか聞き取れなかったが
兄は何が起こったのか呆然と立ち尽くした。
とっさに足が車の後を追っていた。涙と鼻水で呼吸困難になりながら。
とうとうおいつけないまま兄は転んだまま動けなくなった。
捨てられたんだ。
まるでユートピアとも思える、どの国も羨む恵まれた社会が成り立っていた。
しかし残念ながらも光は影を落とす。人々の心の闇は渦をまき誰も巻き込もうとさせない。
人の幸せを心から願い、自分の渦には触れさせようとしない美しい精神を持つ人々だった。
だが、その渦は心から流れでてしまうと手に負えなくなってしまう。
渦は光さえ飲み込む。
ここにもひとつの家族がちょっとしたきっかけで偽善の違和感を漂わせていた。
不穏な雰囲気を引きつれてタイヤは音を緩め静かに車は止まった。
山の上の人気のない公園。家族は回りを気にせず遊べる所を探していたのだろう。
仲の悪い空気など感じさせない程の仲むつまじい親子だった。
子供の兄弟はかくれんぼをはじめた。夫婦は山の上からの景色を眺めていた。
兄は隠れる側で木陰に隠れていたが、不思議な風が吹き思わず山林へ入って行った。
鬱蒼と茂る木の葉をかわしていた。
気付くとそこ一面に水面花の咲き誇る水溜まりに出くわした。
彼は見たこともない世界を体感し、声もでずただただ魅入るばかりだった。
水は緩やかに流れ水中花は揺れそよ風に水面がさざ波たつ。
兄はこの先に行きたい衝動に駆られていた。
「もういいかい」
兄はこの世界に夢中になっていてまさか妖精に話し掛けられたのかとビックリした。
ふと我に帰りかくれんぼをしていた事を思い出す。
「もういいかい!」
弟の声はききせまるものがあった。
兄が隠れここにくる間ずっと探していたのだろう。
「もういい…」
言いかけたところで弟が心配になった。
弟の足ではここまで来るのは難しい。兄はもときた道を戻ろうとした。
「ゆっくりしてきなよ」そんな声がきこえた気がしたが急いで引き換えした。
「もういいよ」
そうつぶやいたのは母だった。
「お兄ちゃんどこにもいないよわああん」
「お兄ちゃんどこにもいないね、いないね」
「もういいんだよ」
「ママ?」
母は兄に絶望していた。夢物語を語る兄にうんざりしていたのだ。
何をやらせても物覚えがよく、手伝いもよくする素晴らしい兄。
自分が産んだ子なのに父にも似ておらず。ずっと胸につかえたままここまできたのだ。
「いいのか」
父が言った。
「もう決めてたことよ捜索願いは出すわ。でもあの子はきっと帰って来ないわ!」
「わかった」
「にーちゃんは?」
弟は青ざめた顔をして涙と鼻水で顔を濡らしていた。
母は弟に抱き着くと、抱え込み何も言えわずに車に駆け込んだ。
遠くからなので何となくしか聞き取れなかったが
兄は何が起こったのか呆然と立ち尽くした。
とっさに足が車の後を追っていた。涙と鼻水で呼吸困難になりながら。
とうとうおいつけないまま兄は転んだまま動けなくなった。
捨てられたんだ。
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